突然、ひんやりした手が私の頬に触れた。
少しだけ細めた柊くんの瞳が私を見つめて離さない。
この角度から見る柊くんはいつもよりましてイケメンだ。
綺麗なフェイスラインがよく見える。
「他の人が…静音に惚れたらどーすんのさ」
っ?!
思いもよらなかったセリフが発せられて、私の顔のほてりは最大になる。
惚れる…とは…一体…。
「男は揺れるものに惹かれるって聞いたことないの?」
「えっと…なんとなく…聞いたことある」
「でしょ。だから、気をつけなよ」
柊くんはそう言いながら私のイヤリングにそっと触れた。
「ひっ、」
耳たぶに柊くんの指が触れて、思わず変な声が出てしまった。
「やっぱりダメなんだ?耳」
「…〜〜っ」
なんだか少し意地悪な柊くんに何も言えず、ただ目をそらすことしかできない。
今顔を赤くしているのも、柊くんの指が触れたことも、恥ずかしい…。
「ごめん。あんまり可愛いからつい」
柊くんは、グッと近づけていた顔を離してから、耳に触れていた指を私の頭の上に持っていってそういう。
「それ、すっごく似合ってるよ」
彼はそう言って、歩き出した。



