「静音のバカ」
「へっ?!」
突然の悪口に、驚きで口が開いてしまう。
なんで急に?!
「帰るよっ」
「わっ、」
柊くんは、私の手をつかまえるとギュッと握ってズンズンと歩き出した。
いや…みんなに見られるって!!
「ちょ!柊くん、手!」
「こーしないと、ふらーと1人でどっか行っちゃうんだもん」
「い、行かないよ!」
そんな迷子の子供みたいな言い方しなくても…。
「柊くんってば…」
学年1人気者の彼と手を繋いでるなんて、バレたらそれこそ学校で生きられなくなってしまう。
「増田とは繋ぐのに、俺はダメなの?」
「えっ、」
なんで今増田くんの名前が出てくるの…。
増田くんと手を繋いだ覚えなんて…。



