学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます



「あ、耳可愛い」


「えっ、あ…」


増田くんがフワッと私の髪に触れたかと思うと、私の耳を髪の隙間から見つめた。


うぅ、なにこれ…なんか恥ずかしい。


「柊、気づいた?」


「へっ、」


バチっと増田くんと目があって慌ててそらす。


なんで今、柊くんの名前を出したんだろうか。


「イヤリング」


「えっ、いや、…見せてないよ」


「ふーん」


「いた!増田ーー!お前曲入れたまま便所行ってんじゃねーよ!」


っ?!


突然、声がして振り向くとクラスメイトの男の子が呆れた顔をしながら増田くんを見ていた。


「あぁ、悪い悪い。緒方も行こ」


増田くんは何か言いたげな表情のまま、そういってから私の手を掴まえた。