「何言ってんだよ緒方。1回目の試合のサーブ、ちゃんと点になったじゃん」


「えっ、あ、えっと…」


チームリーダーの増田くんが、私の肩をポンと叩いて笑顔を向けてくれたので、反応に戸惑ってしまう。


こういう時、なんていえば正解なんだろう。


ザ・スポーツ少年の増田くんに話しかけられると、少しビクッと肩を震わせてしまうけど、彼の1つ1つの言葉はちゃんと優しくて、ホッとする。


あ、そういえば…私、増田くんからスポーツドリンク貰ったんだっけ。


ちゃんとお礼言わなくちゃ…。


「あ、ま、ます─────っ?!」


キュッ、と腕が引っ張られて、後ろを振り返ると、そこには目を細めて私を見つめる柊くんがいた。