「…ほんっと、鈍感すぎだよ」
綺麗な目が私の映して離さない。
どんどん彼の顔が近づいて来て…
「ひ、柊くんっ?」
─────ガラッ
っ?!
「柊くん、緒方さんまだ寝てる?」
ドアが開く音がして、女の人がカーテン越しにそう言う。
その瞬間、柊くんがパッと私の頬から手を離した。
「あ、今起きましたっ」
柊くんは慌ててそういうと、カーテンを開けてそういった。
「あら、起こしちゃったかしらね」
そう言いながらひょこっと顔を出したのは身体測定の時ぶりの養護教諭の先生。
「あ、大丈夫です!休めました。すみません…」
「ああ、いいの、いいの。今日は無理しないほうがいいかもね」
「はぁ…すみません…」
せっかくの球技大会、みんなと仲良くなれるチャンスだったかもしれないのに。
私はガクッと肩を落とす。