「柊くん、なんで…」
「なんでって…俺がここまで運んできたんだよ?」
「っ、」
は、は、運んできた?!
柊くんは一体何を言ってるんだろう。
「静音、試合中に倒れたんだよ」
「えっ、」
そういえば…柊くんの声が聞こえた気がしたっけ。
って…ちょっとまって。
運んだって…
だんだん自分の顔が赤くなっていくのが見なくてもわかる。
「ご、ごめんなさいっ!」
私は、体から布団を剥がして柊くんに頭を下げる。
「なんで謝ってるの?顔あげてよ」
「だ、だって…」
絶対重かったに決まってる!
それに…寝顔なんて柊くんに見せちゃったなんて…!
ダイエットなんてしてないし、化粧だってしてないし!
柊くんに幻滅されたに決まってるっ!



