「お、緒方さん?!」
「緒方!緒方!」
小野さんや増田くんの声が聞こえて、うっすら目を開けると視界は全てぼやけていた。
みんなの足しか見えなくて、自分が倒れてしまったんだと気付く。
ダメだ…。
わずかに開けた目もすぐに閉じられてしまう。
起き上がらないといけないのに、体は言うことを聞かない。
せっかく頑張るって決めたのに…。
なんでこんな時に限って…。
「静音っ」
意識が朦朧とする中、
体がフワッと何かに持ち上げられた。
「俺が連れて行きます」
安心する、いつもとは少し違った力強い声が聞こえて、
私の意識はそこでプツンと切れた。



