「お疲れ様」
「へ、あ、いや…えっと…」
眩しい笑顔で声をかけてくれた増田くんとこうやって話すのは初めてですごく緊張してしまう。
「次の試合も頑張ろうね」
「あ、は、はいっ、増田くんもお疲れ様でした」
「はいこれ」
「えっ、」
増田くんは、私の手にスポーツドリンクを渡すと、すぐに振り返ってチームのところへ帰って行った。
え、え、え?
もらったスポーツドリンクはひんやりと冷えていて、熱くなった手を冷ましてくれる。
なんで増田くんが私に…。
「増田、さっき走って自販機に買いに行くの見────…いてっ、」
あ、と思い出したように話し出した土田くんの腕を柊くんが少しムッとした顔で叩いた。
柊くんのこんな顔、珍しいな。



