学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます



ピッ


「わー!!すごい!!緒方さん入ったよ!」


「えっ、」


「スレッスレだったわ。絶対ダメかも思ったのに。ナイス緒方!」



チームメイトのそんな声が聞こえて、恐る恐る目を開けると、


コートの向こう側でスライディングしたまま手を伸ばした生徒が落ちたボールの周りにいた。



うそっ、これって…。


得点板を見ると、私たちクラスの点数が一点入っている。


「やったじゃん静音!」


「すごいよ緒方さん!」


「さすが、私の親友っ!」


コートの外では3人が嬉しそうにこちらを見ている。



嘘…私…点数入れちゃった?


「よーし!この流れに乗って行くぞー!」


「待ってろ焼肉ーー!」


チームのみんなもなんだか気合が入ったように声をあげた。


よかった…よかったよ…。


目線を感じて、またコート外に目を移せば、


「柊くん…」


爽やかな笑顔を向けた彼が、こちらにピースサインを向けていて。


胸がキュンとした。


柊くんが深呼吸って言ってくれたからだよ。


ありがとう。


その気持ちを込めて、私も控えめにピースサインを返した。