「キャー!柊くんほんっとなんでもできちゃうよね」
「柊くんってバレー部じゃないよね?ホームめっちゃ綺麗なんだけど!」
「ボールになりたい」
私の座る位置から少し離れたところで、ほかのクラスの女子たちが柊くんを見てうっとりと話す。
なんとなくギャラリーも多くて、柊くんの人気ぶりを再確認させられる。
「お!高城!ナイスレシーブ!」
柊くんが、鈴香ちゃんの名前を呼んだ。
「あの人って、最近学校来るようになったっていう高城さん?」
「すっごい派手だよね…でもなんかかっこいいかも」
「わかる。サバサバしてるっていうか、イケメンだよね」
柊くんに夢中だった女の子たちは、鈴香ちゃんの話もする。
鼓動がドキドキとうるさいけど、これはいつも柊くんに対して鳴らしてるのとは違う。
不安で嫌な予感がする。
聞きたくないのに、聞いてしまう。
「なんか、お似合いじゃない?あの2人」



