「あ、あの柊く……っ、わっ、」


っ?!


『手を離して』
そう言おうとしたら、掴まれていた腕をそのまま引かれて、一瞬で私は柊くんの匂いに包まれた。


な、な、な、何事?!


私の体はたちまち熱くなって、あちこちから汗が噴き出しそうになる。


「静音、なんか元気ない?」


っ?!


耳元に柊くんの声がかかってやっぱりくすぐったい。これには全然慣れないな。


しかも、今日の柊くんはいつもの制服とは違って薄手のシャツを一枚だけ着てる。



「元気、だよっ」


いつもより柊くんに触れてる気がして余計ドキドキする。


もし今、鈴香ちゃんと2人きりになったらおんなじことしちゃうのかな…なんて、また変なこと考えちゃってるの…バレたかな?