「うん。新しいノート買いに行きたくて」


沙希が一生懸命言葉を探しているのがわかった。


ノートならさっきのコンビニでもあっただろうし、本当に欲しいものなんてないのだとわかった。


けれど、沙希のそういう所に愛らしさを感じるんだ。


「わかった。用事が終ったら連絡するよ」


「うん」


そう言って、俺たちは別れたのだった。