☆☆☆

俺が気絶していた時間はほんの数分間だったらしい。


人の声で目を開けると、俺はまだ駐車場にいた。


太陽の光が車に反射していて眩しい。


「澪、大丈夫か?」


エイトが俺の顔を覗き込んでくる。


「一応、生きてる……」


そう言って上半身を起こすと、殴られた頬がひどく傷んだ。


口の中が切れたのか血の味もしている。


周囲を見回してみると2年生はもういなくなっていた。


「なに無茶なことしてるのよ」