「噂は噂だぞ」


エイトが念を押すようにそう言った。


「そ、そうだよな……」


山本さんは大人しくて地味で、誰かに恨まれるような生徒じゃなかった。


他殺だなんてそんなこと……。


そう考えた瞬間、グロ動画を思い出した。


四肢を固定されたカエルが解体されていく。


そのカエルの顔が山本さんに見えた。


恐怖で顔を歪めた山本さんが泣きながらやめてと叫んでいる。


けれどカッターナイフを持った男は止まらない。


山本さんの肌に刃を付き立てると、一気に引き裂いた。


その時、男の顔が画面上に現れた。


恍惚とした表情で山本さんの臓器を見つめているその男は……俺だ。


「おい、澪?」


エイトに名前を呼ばれてハッと我に返った。