「なんだよ、今日も朝からイチャイチャしやがって!」


明るい声でそう言ってエイトの肩を叩く。


昨日見てしまった2人のなまめかしい姿を思い出し、2人の目を見ることはできなかった。


「澪もそろそろ彼女作れよ。バイトばっかしてたら青春逃がすぞ」


「俺はお前みたいにモテないんだよ」


そう返しながら自分の席に座った。


「澪はモテてるよ? 自覚がないだけだよ」


真央がそんな風に言って来た。


俺が適当に誤魔化しながら相槌を打っていると、クラスメートの吉田スミレが教室内に入って来た。


沙希の親友だ。


スミレは俺の姿を見つけるなりずんずん席に近づいて来た。


「ちょっと澪!」


おはようの挨拶もなしにいきなり睨まれて「は?」と、キョトンとした顔をスミレに向けた。