このハンドルネームだと、エイトと読むことができる。


咄嗟に友人の顔が浮かんできたけれど、さすがにそれはないだろう。


学校を特定できてしまう動画を撮影したうえ、こんなわかりやすいハンドルネームを使うなんて、無防備すぎる。


そう考えてA10の動画の1つを再生した時だった。


見慣れた教室風景が画面一杯に広がって、俺は一瞬息を飲んだ。


画面上に映し出されている人物たちの顔にはモザイクが入れてあるが、それは間違いなくクラスメートたちだった。


メインで映されているのは真央だ。


この光景はほんの数時間前に見たものと一致していた。


「マジかよ……」


思わずそう呟いて乾いた唇を舐める。