教室内ではまだ奇声が聞こえてきている。


数少ない生き残りたちが殺し合いをしているのだろう。


校舎の方へ振り向くと、窓の近くでもみ合っている姿が見えた。


「これで、終わりだ」


俺はそう呟いて、池田先生の体を校舎側へと強く押した。


油断していた先生は足を絡ませて転倒する。


「なにするの!」


池田先生が叫んだそのタイミングで、窓際でもみ合っていた生徒2人が落下してきた。


俺は沙希の手を握り、現場を見せないように抱きしめた。


池田先生が立ち上がる暇もなく2人の生徒が先生の上に落ちて来た。


グシャッと骨や肉が潰れる音が聞こえて来る。


2人に押しつぶされた池田先生はもう動く事はなく、その様子を投げ出されたスマホが無言のまま撮影し続けていたのだった……。