沙希が小さく悲鳴を上げる。


「なんで……」


「なんで? そんなこと、自分が一番よくわかってるでしょ?」


そう言って池田先生は俺にスマホの画面を突きつけた。


そこには俺が犬を解体しているシーンが流れていてハッと息を飲んだ。


「同じよ。犬でも人間でも」


そう言われると何も言えなかった。


池田先生の言う通りだ。


俺も命を奪ったのだから。


「君たちの事は見逃してあげる。君たちのおかげで私がコンテストに勝つんだからね」


池田先生はそう言って笑った。


それは賞金に目がくらんだ猛獣のように見えた。