廊下は戦場だった。


沢山生徒たちが血まみれで倒れていて、助けを求める声やうめき声があちこちから聞こえてきている。


生き地獄のようなその場所から教室へと入ると、そこにはほとんど生徒の姿はのこっていなかった。


みんな逃げるために廊下へ出て、だけど逃げ道がなくて倒れて行ったのだ。


いくつか転がっているクラスメートの体をまたいで窓へと近づいていく。


ここは3階だ。


下はコンクリート。


無事に着地できるとも思えない。


それでも生き延びるためには飛び降りるしかないんだ。


俺は窓の下を見てゴクリと生唾を飲みこんだ。


「立花さんは?」


沙希の言葉に振り向くと、立花の姿がなかった。


さっきまで一緒にいたはずなのに。


そう思っていると、廊下の様子を撮影している立花の姿が見えた。