それぞれの武器を確認して教室へ戻ろうとした時だった。


プリントをしているはずの教室から悲鳴が聞こえてきて、俺たちは一瞬足を止めた。


その悲鳴は隣のクラスから聞こえてきたようだ。


様子を確認するために足早に教室へ向かう。


すると数人の生徒たちが廊下に逃げ出してきた。


誰もが青ざめていて悲鳴を上げている。


「どうしたんだ?」


逃げようとしている生徒の1人を捕まえてそう聞くと、「田中が……! 田中が急にカッターナイフを持って暴れ出したんだ!」と、叫んだ。


隣のクラスの田中という生徒は普段は目立たない、大人しい男子生徒だった。


話終えた生徒はすぐに逃げていく。


逃げ道なんてもうどこにもないのに。