プリントが終った生徒から宿泊施設に戻っていいようなので、みんな真剣にプリントに取り組んでいる。


俺もプリントを1枚取り、自分の席に向かった。


席順は学校と同じようだ。


席に座ったタイミングでエイトが席を立った。


何気ない素振りで教室を出て行く。


教室内を見回してみると、立花の姿もなかった。


俺はポケットの中に入れている小型ナイフの感触を確かめた。


これで先生たちを殺害し、合宿施設の鍵を入手し、密室を作るのだ。


昨日の夜、嫌というほどエイトと一緒に確認し合った。


「やべ、消しゴム忘れて来た」


俺はできるだけ自然にそう呟いて席を立った。


椅子の音に真央がビクッと体を震わせる。


真央を1人教室に残して大丈夫だろうか?