入口付近にいた生徒たちが振り返り、俺を見る。


俺は肩で大きく呼吸を繰り返し、そしてほほ笑んだ。


あぁ……これだ。


俺がずっと欲しかったものは、これだ。


手にしっかりと残っている、包丁が肉に食い込んでいく感触。


固い骨に接触することもなく、準也の深くまで挿入された。


様々な臓器にぶつかるたびにその感触がつたわってきた。


弾力のある生きた人間の、健康な内蔵。


それらを俺は間違いなく引き裂いたのだ。


血がたぎる。


これこそ俺だ。


ゾクゾクと全身に鳥肌がたち、顔がにやける。


もっと。


もっとだ……。