「やめろ!」


俺はそう叫び、近くのテーブルに置かれたままの包丁を手に取った。


「澪!!」


エイトの叫び声がする。


だけど体は止まらなかった。


包丁を握りしめたまま準也へ向かって激突した。


準也の動きが止まり、すべてがスローモーションに見えていた。


準也が驚いた顔で振り返る。


俺は包丁から手を離し、準也から離れた。


エイトたちが駆け寄って来るのが目の端で見えた。


同時に、準也がゆっくりと倒れて行く。


その背中には深々と包丁が突き刺さっていて、自分が刺したものだと理解した。