その光景に唖然としてしまった。


準也だってやられているダケではない。


いずれ限界が訪れるだろう。


それは分かっていた事だったけれど、まさか2年生のいないこのタイミングだなんて思っていなかった。


「澪!」


沙希の声が聞こえて来てハッと我に返った。


ぼんやり準也の様子を見ている場合ではない。


危害をくわえられないように逃げなければいけない。


そう理解した俺は包丁を置いて沙希と一緒に食堂の出口へと向かった。


準也の強行に逃げようとする生徒たちが出口へ殺到している。


準也は雄たけびを上げながら誰かれ問わず包丁を振り回している。


腕や足を切られて動けなくなっている生徒もいた。


それはまさに地獄のような光景だった。