「そうだ、これ」


思い出して俺は鞄からスマホを取り出した。


まだ未使用の真新しいスマホ。


俺と真央と立花のアドレスしか入っていない。


この日のために2代目のスマホを人数分用意したのだ。


「ああ、サンキュ」


エイトはスマホを手に取って珍し気に眺めている。


いつも使用しているスマホは先生に渡し、これで動画を撮影するのだ。


「4人分だからかなり金がかかっただろ」


「平気だよ、なんせ賞金は2億円だ」


スマホ代なんて安い物だった。


「そうだな。高校生たちの殺し合いなんて撮れる奴はいないだろうし、絶対に賞金をいただくぞ」


「もちろんだ」


俺はそう返事をしたのだった。