俺も、沙希の白い肌が好きだ。


自分の小麦色の肌とは違うその白さに惹かれている。


「お前じゃ無理だって諦めろ」


そう言うと野原は少しムキになって「俺だって男だぞ」と、言い出した。


そのふくれっ面が女子みたいで可愛らしくて、俺は思わず笑ってしまった。


そうこうしている間に列は進み、ようやく保健室の中に入る事ができた。


池田先生のいつもの甘い香りがしている。


これだけ男子生徒でごった返した保健室でも、ちゃんと池田先生の香りがすることに安堵した。


「池田先生、なんで身長体重を計るんですかー?」


構ってほしいのか、野原が手を上げて池田先生にそう質問をした。


生徒の身長をバインダーに挟んだ用紙に書き込んでいた池田先生が、顔をこちらへ向けた。


「みんなの成長を見守るためよ」


「合宿中にどれだけ身長が伸びると思ってるんですかー」


野原がそう言うと、笑い声が漏れた。