授業中の教室から先生が顔を覗かせて静かにするように注意しても、なかなかやまない。


「いい加減にしろよお前ら!」


先生の怒鳴り声が聞こえて来てようやく静かになった。


そう言えば、最近になって先生の言う事を素直にきかない事も増えて来たような気がする。


学校に馴れて来た証拠かもしれない。


保健室に到着すると出席番号順で並ばされた。


俺の前にいる野原がこちらへ振り返り「池田先生っていいよな」と、鼻の下を伸ばした顔で言って来た。


野原は俺より10センチほど背が低く、顔も可愛らしい。


それをからかわれる事が多かったけれど、ちゃんとした男だ。


「お前池田先生みたいなのがタイプ?」


そう聞くと野原は大きく頷いた。


「俺、見た目がこんなじゃん? だから綺麗な大人の女に憧れるんだよな」


その気持ちはよくわかった。