それでも俺は解体を続けた。


腸、胃、心臓。


あらゆる部分を体から引き離し、地面に並べて行く。


周囲には血と獣の香りが充満し始めている。


それでもやめることができなかった。


ずっと直に見てみたいと思っていたものが目の前にあるのだ。


俺はそれらを観察するようにジックリと眺めまわした。


すべての臓器を取り出すと、犬の体は空っぽになっていた。


骨と肉と皮だけの入れ物だ。


それはもはや生き物とは呼ばない。


最後にすべての臓器をひととおり撮影し、俺は空地を後にしたのだった。