それから俺たちはデートを楽しむこともできず、そのまま解散することになった。


沙希には申し訳ない気持ちになったが、デートところではない。


《マッドマン・ムービー》への恐怖と好奇心が俺の中で葛藤しているのがわかった。


頭を冷やせ。


自分にそう言い聞かせて家に戻って来た。


親にただいまも言わず、そのまま自室へ籠るとすぐに《マッドマン・ムービー》を表示させた。


今朝見た光景が頭から離れない。


慌ててそれらしい動画を確認していくけれど、生きたまま人間を解体している動画は見当たらなかった。