電気を消してカーテンをひいた部屋は薄暗く、昼間の明るさを遮断している。


外の喧騒は気にならず、俺はスマホ動画に夢中になっていた。


小さな画面の中ではカエルの解剖が行われていた。


医学生たちによる授業などではなく、一般人がその辺にいたカエルを捕まえて弄んでいる様子だ。


男の子なら多かれ少なかれ爬虫類などを捕まえて遊んだ記憶はあると思う。


が、俺の記憶の中にあるそれとは違い、動画の中のカエルは驚くほどに大きかった。


大人の男性の両手ほどの大きさもあるカエルが、両手足をそれぞれ棒に固定され、腹を向けさせられている。


カエルの真っ白な腹は上下していて、その生命が本物であることを示していた。


カエルを捕まえた男の手には市販のカッターナイフが握られていて、その刃が躊躇なくカエルの腹に突き立てられた。


その瞬間、俺はゴクリと生唾を飲みこんで画面に見入った。