「嫌とかより、私は寺川くんを良く知らないもの。それなのにイブにいきなり一緒に過ごすとか。分かんないよ!!」


思わず勢い込んで返すと



「そっか?じゃあデートしながら知って?今日はここから一緒に行って、帰りも一緒に帰ろう!」


ナイスアイデアと言わんばかりにポンと両手を合わせて言う寺川くん。


いやいやいやいや!ちょっと待て、爽やかイケメン!


性格良しの王子的存在じゃなかったの?!


なんかすっごい強引なんですけどー!!!



「ふふ、八雲は考えてることが顔に出るね。わかりやすくて俺は助かるなぁ。」


ニコニコしながらもとりあえず歩き出した私達。
何故なら学校には遅刻できないから。


しかし、グールグールと考えようとしても受けた衝撃のせいか思うように思考がまとまらないのが分かる。


「あの、遅ればせながら聞きますが、その提案に拒否権は・・・?」


「ん?何か言った?」



爽やかだけど笑顔が黒い!黒いよ、寺川くん!



「イイエ、ナニモ・・・」



言い返せなかった私は自分でも思う


何たるチキンなんだ私は!!!


でも、爽やかイケメンのハズの彼の笑顔から冷気が漂うんだもの。

小心者の私では言い返せませんでした。