「ホントにごめんな、八雲に嫌な思いさせて。」


さっきまでの冷たさは微塵もなく、今はしゅんと凹んだイケメンが居る。

なんかこの感じはちょっと可愛い。



「さっきも言ったけど寺川くんのせいじゃないから、気にしないで良いんだよ!」


そう、目の前に行き近づいて俯いてた寺川くんの視界に入りに行って伝える。


「俺と一緒に過ごすの嫌になったりしてない?」

ポツンと零れたその言葉に


「嫌になったりしないよ。今日はあと一時間頑張ったら出掛けるんでしょ?楽しみだよ。」

そう微笑めばやっと落ち着いたみたいで寺川くんも笑みを見せてくれる。



「うん、最後の授業しっかり受けて遊びに行こうな。」

そう言ってポンポンと頭を撫でると寺川くんも、自分の教室に戻ろうと、動き出した。



「寺川くん、駆けつけてくれてありがとう。お陰で叩かれないで済んだよ。」


ニカッと笑って言うと


「そこは間に合ってホントに安心したよ。八雲叩かれてたらおれもっと暴れてたかもしれないし。」

うん、物騒だからホントに間に合ってよかったや。



「じゃあ、またあとでな。」


そうして寺川くんも戻り教室が落ち着き始めた頃本日最後の授業が始まった。