「昨日からさ、いい迷惑なんだよ。あんたらの方がよっぽどな。あんたらみたいなのには興味なんてこれっぽっちもないからこれ以上俺の好きな人に迷惑かけないでくれるかな?これで駄目になったら恨むどころじゃないから。ホントにやめてくれる?」


これをブリザードのような冷たさで言い放つ寺川くん。
イケメンだけに無表情が怖い。
彼女達も、した事の意味をやっとこの寺川くんの状態で理解したらしい。
寺川くんによく見てもらうどころかマイナスにしか作用しない事に。

考えれば分かりそうなものだけど。


「それに、速水にはハッキリ言ったと思うんだ。好きな人がいるから早見の気持ちには答えられない。どれだけ言われても無理だから。そう言ったよな?」


更に冷たさを増した雰囲気に季節も相まり寒さが増した気がした。
そんなはずないんだけども。


「今後一切俺や八雲に関わらないでくれ。クラスも選択授業も被らないから出来るよな?」


そこまで言われて項垂れる彼女達。


「分かりました。」


そう言うと教室から出ていこうとしている所に


「なぁ。こんなことして相手に謝罪しないの?勝手に乗り込んで言い掛かりつけてごめんなさいの一言もないの?」


そう声を掛ける寺川くん。


速水さんは拳をきつく握りながらも振り返り


「八雲さん、迷惑掛けてごめんなさい。」

俯きながらも言われた言葉は届いたので


「うん。分かった。」

そう答えた。

それを聞くと集団は教室から出て行った。