第5話 口を滑らせた日 梅雨入りして雨の日が多いからなのか、 中間テストが近づいているからなのか。 放課後の図書室はそれまでより人が増えた。 俺としては助かる。 いつかの日のように松尾ミサキと2人きりになってしまう日は無いからな。 相変わらず図書室に行くと、いつもの後ろの方の席にあの子は座っていた。 目で挨拶する程度で特に会話をすることはなかったけど。