楪と京極

「…居ないじゃん」



テラスの柵に凭れ、そのままため息をついた少女。



身長は私が167として、少し低い程か。

体躯は小柄で声も然程低くない。



後ろ姿だが、背中に掛かる程の柔らかそうな長い金髪が目を引いていた。



小柄な体に、長い髪。

………席を外そう。



とりあえず嫌な予感がして席を立とうとする。



だが…。



「大体、パーティーに出席するのもま…え?」



立った瞬間。

今度は背中を柵に凭れさせようとしたのだろうその子と目が合った。



すべすべしてそうな色白の肌。



髪は艷やかな金髪ロングで、

瞳は若干見開かれているが煌めく黄金色。



美少女でもあるが、とにかく美人だ。



そう思いつつ、しまったとも思った。



数秒とはいえ見惚れていた為、さっさと退散しよう。

ついでに切もいいし帰ろう。



そう思いながら、何か一言言うかと口を開こうとした時。



「時無霞?」



…名前呼ばれた。



だが呟いただけであったのと、ウィッグとカラコンを着けてるのを思い出し、

聞こえなかったフリをして立ち去る事にする。



「…あ、ちょっと」



去り際そんな声が聞こえたものの、無視してそのまま立ち去る事が出来た。



…何だろう、嫌な予感がする。



2人に何か言おうかと思ってると、丁度結兄と目が合った。



出入り口の方を一瞬見た後、こちらに向かって頷かれた。

これは帰っていいということだ。



頷き返して、帰宅した。