出発ゲートを抜け機内に入る。

 勿論節約のため、エコノミークラスだ。


 三列シートの通路側の席に座る。

 まだ、隣の窓際の席の乗客は来ていないようだ。

 そうは言っても、七時間のフライトだ、出来れば女性がいいが……



「パパ!」

 の声に顔を上げると、さっきぶつかった男の子が手招きしいる。

 どうも、この席らしい……


 私が立ち上がり席を空けると……


「あっ。さっきのおねえちゃんだ」


 男の子は驚いたようで、クリッとした目を大きくあけた。