華乃ちゃんに呼び出され、たどり着いた場所は、屋上へと続く階段だった。



校舎の中で一番と言っていいほど人通りが少ない。というか、一切無い。



こんな場所で、なんの用だろうか。



「あのね…」



不意に彼女が口を開いた。



そう言葉を発してから振り向いた彼女の顔は、見たこともないほど殺気立っていた。



「え…?」



こ、怖い…



そう思い、思わず後ずさりしてしまう。



「わ、私…何かした…?」



声が震える。



「何かした?って…」



バカにするように鼻で笑うと、一気に距離を詰めてくる。



「幼馴染だかなんだかしんないけど、裕翔くんにあんたごときがベタベタしちゃってさぁ…」