篠突ク雨ニ謳フ





月日は早いもので、あと数日も経てば弥生になる。



あれから色々あって大変だった。



隊士組に入るってことは男子にならなきゃだめだということになり、男物の袴を注文して、髪型も整え、口調も変えて…



頑張った甲斐あって、今は家の近所にある商店街に行くと男に間違われることが多くなった、というか男としか見られてない。



本来女子の身としてはちょっと複雑なところもあるんだけどなぁ。




「あ!或都くん、今日も買い物かい?よかったらこの団子もっていきな!」



「或都くんじゃない。ちょっとこれ持って行きなさいな、いいみかんよ」



…とまぁ、商店街では毎度のごとくおまけをもらえるので良しとしています。←



「ありがとうございます、いただけると嬉しいです」



ということを繰り返した結果、両手には本来はなかったであろうみかんやら野菜やらがぶら下がり、なんのために商店街に来たのかわからなくなる。



大抵の場合雅が付いて来てくれるんだけど、男のふりをしなくちゃいけないこともあって最近はろくに喋れてもいないんだよね…



自分でこの道を選んだものの、それだけは少し寂しい。