「兄上、失礼しまーす」
正座してどうのこうのとか女の子らしいことはやらず、ぴしゃんと音を立てて勢いよく障子を開ける。
ちなみに最後の方は足で開けた。
その先には布団から体を起こし、付人の伊織(イオリ)を相手に将棋を指す兄の姿…
「って兄上?!何してんの体起こしちゃダメでしょっ?!」
「んだようっせぇな、将棋は寝てたら指せねぇだろうが」
さすがは私の兄、言葉遣いが悪い。
「久しぶりに体調がよろしかったようなので、俺からお相手して欲しいと言ったんです。すみません、千代様」
伊織が申し訳なさそうに頭を下げる。
「とか言って結局兄上から話持ちかけてたんでしょ、病人は大人しく寝てろっ」
ああだこうだとぎゃあぎゃあ言い合いながらとりあえず私は兄上を無理やり布団に押し込み、伊織に将棋を片付けてもらった。
「それで話っていうのがな」
はっ、何をしに来たのか忘れかけていた。
兄上に話があるからって言われてたんだっけ…
「実は俺、病気にかかる前に隊士組に入隊希望出したんだけどよ。見ての通りに倒れちまったから、代わりにお前行ってくれねぇか。」
あーうんうん、別に構わない…
ん?
入隊希望?
代わり?
隊士組?
「はぁあああああああああ?!」
どういうこと?!?!

