護衛目的の執事です

時刻が9時半になった頃。



ルルルルル~ ルルルルル~



と鳴った私の携帯。



その時にはもう、私の手元に携帯が戻っており、



「もしもし」



と声音を変えて言う。



結弦「もしもし、結弦だけど。あの、そろそろ迎えに来れる?」



「はい。すぐ行きますね」



結弦「うん」



というので電話を切り、



「じゃあ、そろそろ帰る」



と言い、ウィッグとカラコンを付け、
長い前髪を耳に掛けながら気配を消し、幹部室を出て歩みを進め、倉庫を出た。



今日渡したあのノートは、私の自室にある組の情報も入ったノートとは別のもので、



族に関係ある組の情報や族の事をまとめたものだ。



なので、あのノートはもう桜蘭の物になったというわけだ。