とにかく服を脱ぎ、置いてあったものを着る。



黒のカッターシャツ、ベスト、ジャケット、ネクタイと着ていき、
ウィッグとカラコンを取り、着いていた紐の様なリボンで髪を1つに束ねる。



ジャケットの中に、ここ白石財閥の家紋であるバラの花が描かれた懐中時計が内ポケットに入っており、



さすが執事だなと感心しながら、一通り出来たかと思った時。



結弦「ん、んんー」



と身体を寝たまま伸ばす結弦。



………いや、もうこの服の時は様付けにするか。



「お目覚めですか?」



結弦「ん?うん」



目を擦りながらこちらを見た結弦様は、大層驚いた様子だった。



結弦「えっ、水無月、だよね?」



「はい」



と、声音を優男にし、作り笑いを浮かべて言う。