私は持っていた箸を落とした。
「えっ、どういうこと?お父さん?」
「だ・か・ら!麗には龍ヶ崎学院に転校してもらいます。」
「だからなんで?大体龍ヶ崎学院は男子校でしょ!」
龍ヶ崎学院とは、私の兄姫川蓮の通っている学校で、国内随一の学校だ。
「いやー、だってパパ海外に出張なんだもん。それに龍ヶ崎学院は今年から共学になったんだよ?」
なにそれ知らないわよ。大体…
「お父さんが出張でも、お母さんが居るじゃない!」
「だってパパ家事出来ないし、真里亞さんも着いて行きたいって言ってるし…」
「だって礼二さんと離れたくないもの」
………呆れた。
「分かったわよ。転校すればいいんでしょ。転校すれば。」
もう、半分ヤケクソだ!
「ありがとう、麗ちゃん!」
「で、いつ転校なの?」
『明日』
「…嘘でしょ〜」
私の叫び声は家全体に響き渡ったとさ。