桜の下でキミと虹を見る

それから数分後








「…コンコン」









誰だろう?








診察の時間でもないし、ごはんのじかんでも


ない。








脱走してないか、伊沢先生が見回りに来たの


かな?









「はーい」








ためらいがちに開かれた扉から入ってきた人


は伊沢先生でも、看護師さんでもなかった。










それは、あの時、色鉛筆を届けてくれたあの


人だった。










「え………なんでここに?」











「先生に聞いたんだ。


それより、咲桜、大丈夫?」










あ、そっか。私、この人の目の前で倒れちゃ


ったんだ。













それで心配で来てくれたってことか。














迷惑かけたのはこっちなのに、わざわざ来て


くれるって優しい人。













「体は大丈夫です。


わざわざありがとうございます!」












「そっか、よかった〜!」















「入院してるんですか?



えっと………………………………」












「田口 圭!


ううん、友達が入院したからそのお見舞い!


暇だからほぼ毎日来てるんだけど、


たまたま木の下にある落とし物に気づいて拾


ったんだ。」










そう言えば名前を1回聞いたような気もしなく


ないな…











「そうなんですか…」












「うん!ってか敬語じゃなくていいよ!


名前も圭でいいし」












「はぁ…わかった、圭。」












「それでよし…と。


咲桜はどうしてあんなに必死に色鉛筆を探し


てたの?」











「あの色鉛筆は颯ちゃん……………………


兄から貰ったものなんだ……………。」








「そっか〜、咲桜はお兄ちゃん大好きなんだ


ね〜」















「…うん、大好きだった……。」











「………だった?」











「いや、なんでもない!忘れて?


それより、時間大丈夫?」











「あー、じゃーそろそろ帰るな


またね!咲桜!」












…………………………………ん?またね?









ってことはまた来るってこと!?









別にもう、用もないのに…












病室に嵐が通り過ぎたようだった。














誰かに颯ちゃんのこと話したのいつぶりだろう。








颯ちゃん……………………








会いたいな…