「ごちそうさまでした!はい、お代。」


私はレジの前にお代を置いた。
いつも来ている定食屋だから、おばさんも私も慣れた対応だ。



「はい、確かに。
いつもありがとねぇ。雫ちゃん。」


「いえいえ、こちらこそ。一人暮らししてると、毎日夕飯作るの面倒になっちゃって…いつもおばさんを頼っちゃう。」


「そうねぇ。仕事して親元離れて一人暮らしはじめて。若いのに大変でしょう。」

「もう慣れちゃいましたよー。最初は一人で寂しかったけど。ここにくればおばさんいるし♪」

「あらあら、ありがとね。
まぁ、何かあったらいつでも頼ってね。」


「ありがとうございます!また来ますね。」

「はいー、おおきにね。」


ガラガラガラ…

お店の戸をゆっくりと開け、大きく息を吸い込んだ。


もう外は暗くなって肌寒くなっている。

いよいよ冬が来るなぁ。今年は仕事に追われ、一人クリスマスかな?なんて思いながら帰り道の駅へ向かった。