いじめには、今の所あわずにすんでる。一番怖れてたのは、皆がせっちゃんの真似して私を犬の名前で呼ぶ事だったけど、誰もそんな事覚えていなかったらしい。
私はいじめの標的ではなく、空気になることが出来た。
ホッとするのと同じ位、恥ずかしかった。
私、自意識過剰だった?ていうか、被害妄想?
こんなんだったらストレスためてまで、せっちゃん達と一緒にいる必要全くなかった。三人共、嫌な思いして。結局私が二人に迷惑かけただけだった。
いじめの標的を探しているクラスの猛獣から身を守るために、草食動物みたいに群れたら安全かも…って思ってたんだけど…
バカじゃん、私。
女子達のカン高い笑い声が飛び交う昼休みの教室。まるでジャングル。
その中で私は本の盾に隠れて息をひそめる。人をいじめたくてしかたない子たちに目を付けられないように。
捨華は私を覆い隠すように、広い袂で私を包み込んだ。
(大丈夫、私が花音を守ります。)
(どうやって?だってあんた妄想じゃん。)
(守れます、花音の心を。傷付いたまま、むき出しで教室の中に置き去りにされた心を、私だけが包んであげられる。)
捨華に後ろから抱きすくめられて、安心して泣き出しそうになった。
あたたかい。
なんてリアルな妄想。サラサラした絹の肌触りも、捨華の息遣いさえも、私の首筋の皮膚が感じとっている。
私、そろそろやばい?
まともじゃなくなってきてる?
(花音は、私が必要でしょう?)
(……。)
私は応える事も、捨華の手を振り払う事も出来なかった。
私はいじめの標的ではなく、空気になることが出来た。
ホッとするのと同じ位、恥ずかしかった。
私、自意識過剰だった?ていうか、被害妄想?
こんなんだったらストレスためてまで、せっちゃん達と一緒にいる必要全くなかった。三人共、嫌な思いして。結局私が二人に迷惑かけただけだった。
いじめの標的を探しているクラスの猛獣から身を守るために、草食動物みたいに群れたら安全かも…って思ってたんだけど…
バカじゃん、私。
女子達のカン高い笑い声が飛び交う昼休みの教室。まるでジャングル。
その中で私は本の盾に隠れて息をひそめる。人をいじめたくてしかたない子たちに目を付けられないように。
捨華は私を覆い隠すように、広い袂で私を包み込んだ。
(大丈夫、私が花音を守ります。)
(どうやって?だってあんた妄想じゃん。)
(守れます、花音の心を。傷付いたまま、むき出しで教室の中に置き去りにされた心を、私だけが包んであげられる。)
捨華に後ろから抱きすくめられて、安心して泣き出しそうになった。
あたたかい。
なんてリアルな妄想。サラサラした絹の肌触りも、捨華の息遣いさえも、私の首筋の皮膚が感じとっている。
私、そろそろやばい?
まともじゃなくなってきてる?
(花音は、私が必要でしょう?)
(……。)
私は応える事も、捨華の手を振り払う事も出来なかった。