『ただいま。豪貴と棗貴は?』

「ねーねおかえり。お風呂だよ!」


そうか、豪貴と棗貴はお風呂か。


『瑞貴は入った?』

「うん!お母さんとはいった!」

『えらい。何やってるの?』

「しゅくだいだよ!」


瑞貴の手元を覗くと漢字ドリルがあった。一から十までの漢字を書いているようだ。


「ねーね、僕の名前の漢字はどうやってかくの?」

『うーん、瑞貴はまだ難しいかな?』

「えー!かいてみたい!」


キラキラとした目で書きたい!と訴えてくる瑞貴。
私は白い紙に大きく 楠 瑞貴 と書いた。