『ただいま。』
「姉ちゃんお帰り。誰かに送ってもらったの?」
玄関を開けると丁度2階に行く様子だった夕貴が私に気付いて話しかける。
『うん。葵に送ってもらった。』
「ふぅん。葵さんが。」
『夕貴、ちゃんと髪乾かさなきゃダメだよ。風邪引く。』
「大丈夫だよ。これくらい。」
『だーめ。乾かしてあげるから来なさい。』
私は夕貴を引っ張ってリビングに連れていく。
荷物をおろして、ドライヤーを持ってくる。
『ほら、座って。』
ソファ前の床に夕貴を座らせて、私はソファに座る。
ブォォォォ
染めてアッシュグレーになった夕貴の髪を乾かしていく。


