「見てねぇよそんなもん!」

いや、見なさいよ。


『教科書読んで。それでもわかんなかったら聞いてきなさい。』


そう言って、理科の教科書を豪貴に押し付ける。


ちぇー、と言いながらも教科書を読む豪貴。それを見て今度は棗貴の方に行く。


『棗貴は?どこ?』

「ここ。」


よく見ると応用の計算問題だ。


しかも結構難しいね。


『ここは最初にこの公式使うの。』


「....うん。」


『それから、この公式を当てはめて、』


「待ってわかった!」


そう言って、スラスラと解いていった棗貴。


棗貴は頭の回転が早い。一方豪貴はそうでもないが運動神経はピカイチ。


両立のとれた双子だ。