私は話ながらあの時の事を振り返る。 泣いてた空良君を一人にしておけないと思ったまでなんだけどね。 「それに、あの女の事もほんとに感謝しています。」 『あれは、私もムカつきましたからね。』 「あの女はご飯もろくに作れなくては掃除もしない。組員達をこきつかっていた最低な人でした。」 『挙げ句の果てには空良君にも手を挙げていましたしね。』 「はい。しかもあの後その女によって拐われたそうですね。ほんとに申し訳ありません。」 そう言って、白木さんは私の方を向き頭を下げた。