私達はこんなにいい仲間に囲まれてたんだね。
私達はこの人たちを見くびっていたのかもしれない。
私はお兄ちゃんの手を握った。
「お兄ちゃん良かった!私達こんなに信じてもらえていたんだね!」
私は涙ながらにお兄ちゃんに話した。
「ああ。だがここからが本題だ。それを忘れてはいけないぞ。美愛。」
「嬉しすぎて忘れてたよ。ごめんね。」
「母さんたちが江戸時代に殺したはずの伯父さんがこっちの世界に来てるんだ。
これは確かな情報で俺が会ってきた。怪我は逃れられなかったが。」
先ほどまでの和やかな雰囲気がお兄ちゃんの言葉によって一瞬でかき消された。
「龍兎、怪我、大丈夫なの?」
靖人くんがお兄ちゃんの体を見て言った。
「ああ、俺たちはそこが人間と違うところなんだ。」
お兄ちゃんはそう言っておもむろに着ていた服を脱いで刃物を取り出した。
「今からそのことを証明する。しっかり見ててくれ。」
お兄ちゃんは鍛えられた腹筋に取り出したナイフを突き刺した。
「龍兎!!」
「なにやってるんですか!!」
「お兄ちゃんやりすぎだよ。これくらいで死なないとはいえ、痛みは人並みに感じるんだよ!」
「ああ、だがこれくらいやったほうが信憑性が高いだろ。」
お兄ちゃんは刺さったままのナイフを抜いた。
みんなが救急車を呼ぼうとしていたが、お兄ちゃんの声を聞いて手を止めた。
「ちゃんと見ろって言っただろ!!」
みんなはお兄ちゃんの傷に目を離さずにいた。
するとお兄ちゃんの姿が白髪金眼に変わった。
誰かが息を飲んだ。
だんだんお兄ちゃんの傷が塞がっていく。
完全に塞がった時、最初に声を上げたのはお兄ちゃんだった。

